第138回 「六然(りくぜん)」 得意澹然、失意泰然
第138回
「六然(りくぜん)」
得意澹然、失意泰然
1.六然(りくぜん)
⑴古代中国の崔銑(さいせん)という人物が、提唱した有名な格言
⑵王 陽明と同時代の、硬骨(こうこつ)の諌官(かんかん)として知られた人物
①硬骨(こうこつ)
意志が強く、容易には、信念を曲げないこと。
②諌官(かんかん)
天子の過失を諌(いさ)める役
2.「六然」の6項目
⑴自処超「然」 自ら処すること超然(ちょうぜん)
①自分自身に関しては、少しも、物に囚(とら)われない様にすること。
⑵処人藹「然」 人に処すること藹然
①人に接するには、人を楽しくさせ、人を心地よくさせること。
②藹然(あいぜん)。気持ちが和(やわ)らぎ、穏(おだ)やかなさま。
⑶有事斬「然」 有事には斬然(ざんぜん)
①事がある時は、愚図愚図(ぐずぐず)しないで、活き活きとしておく、ということ。
⑷無事澄「然」 無事には澄然(ちょうぜん)
①事なき時は、水の様に、澄んだ気持ちでいること。
⑸得意澹「然」 得意には澹然
①得意(とくい)。自分の望みどおりになって、満足していること。
②澹は、淡(たん)と同じ。 その時は、澹然(たんぜん。あっさりしていること。)としていること。
⑹失意泰「然」 失意には泰然
①失意(しつい)。望むことが、かなわなくて、がっかりすること。
②その時は、泰然自若としていること。
3.高校時代の漢文の授業
⑴泰然自若(たいぜん・じじゃく)、四字熟語
①泰然 ゆったりと、落ち着いていて、動揺しないさま。
②自若 大事(だいじ)に際しても、落ち着き払って、動じないさま。
⑵かつて、「泰然」と「自若」は、同義語であり、『泰然自若』として用いられることが多い、と教わりました。
以上です。