第 39 回 「 故事成語、その 6 」 綸言 ( りんげん )、汗の如 ( ごと ) し。
第 39 回
「 故事成語、その 6 」
綸 言 ( りんげん )、汗の 如 ( ごと ) し。
1. 綸 言 ( りんげん )、汗の 如 ( ごと ) し。
※「 綸 」が正しい漢字で、「 倫 」の漢字は、間違いです。
◆『 漢書 』の中 に、
「 号令は汗の如 ( ごと ) し。汗は出 ( い ) でて、反 ( かえ ) らざるものなり。」とある故事 に基づきます。
◎命令を出すことは、汗を出すことと同じだ。汗は一度、出たら体内に、戻すことが出来ない様 に、一度、出した命令は、取り消せない。
▲意味……君主が一度、口にした言葉は、訂正したり、取り消すことが出来ない。
2. 上記の英訳
◆A king's word must stand.
◎国王の言葉は、不変でなければならない。
▲stand「現状のままでいる」「続く」「有効である」
3. 「 日本の政治家 」の失言 ( しつげん ) への批判
◆日本の各新聞社の「 社説 」などで、
◎『 日本の政治家は、「 綸言、汗の如し 」という言葉を知らないのか。』と、厳しく叱責 ( しっせき ) されています。
※失言……言ってはならない事を、うっかり、言ってしまうこと。
※叱責……他人の過失・不正などを、叱 ( しか ) り咎 ( とが ) めること。
■ 朝 令 暮 改 ( ちょうれい・ぼかい )
「 命令が、始終 ( しじゅう )、改められて、一定しないこと。」
※朝一番に、出された命令 ( 発言 ) が、夕暮れ時には、改定 ( 訂正 ) されていること。
以上です。