第176回 「台詞は人格を現す」 声の出し方(長調と短調)
第176回
「台詞は人格を現す」
石坂 浩二(76才)
1.台詞(せりふ)は、人格を現す。
⑴資料出所
①「サワコの朝」TBS系列
②2017年9月23日(土) 7時30分~8時
⑵脚本家は、台本どおりに(台本に書いてあるまま)、台詞をしゃべってほしい、と思っている。
⑶実例
「きょうは、雨だよ。」
「きょうは、雨だわ。」
「きょうは、雨だ。」
①作家のヒントというか、役作りの為のヒントとして、『語尾』がある。
②台本に、語尾が「よ」と書かれていたら、「よ」という人の、『人格』を演じなければいけない。
⑴「私は、昨日、こういう物を食べたんです。」
※長調。明るい感じで、しゃべる。普通の調子で、しゃべる。
⑵「私は、昨日、こういう物を食べたんです。」
※短調。暗い感じ(ちょっと、冷たい感じ)で、しゃべる。
⑶「私は、昨日、こういう物を食べたんです。」
※極端な短調。もっと、悲しげに、しゃべる。
⑷年をとってくると、「使いこなし方」が、うまくなるんですよ。
この様な対応が、きっちり、出来るので、石坂さんが、重用(ちょうよう)される訳です❢
3.もう、ひとあじ(一味)
⑴金子 みすず(童謡詩人)
1903年~1930年(享年26才、自殺)
⑵「私と小鳥と鈴と」
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面(じべた)を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、
たくさんな唄(うた)は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
⑶この詩は、『鈴と小鳥と私と』、それぞれの特色の中に生きている、「素晴らしさ」を詠(うた)いあげています。
以上です。